チケット高額転売の対抗策 座席番号を公表、帝国劇場がやめた理由

 チケットの高額転売が後を絶たない。演劇も例外ではなく、人気の公演では、定価の数十倍で売られるものもある。福岡市の「博多座」は対策として、転売が疑われる座席番号を公表している。一方、その先駆けとなった「帝国劇場」(東京)は公表を取りやめた。なぜなのか。

 「確認させていただきたいことがございます」。1月の舞台「エリザベート」の公演で、博多座の入り口近くにこんな貼り紙が掲示された。座席番号も明示され、来場者には本人確認をすると書かれていた。

 同公演について博多座は、高額転売が疑われるチケットを複数、販売サイトで確認。中には定価の約30倍にあたる50万円で出品されたチケットもあった。転売の疑いがあるチケットについて、座席を印字して掲示した。

人気公演なのに席が埋まらない

 博多座が座席番号の公表に踏み切ったのは、昨年5月。舞台「千と千尋の神隠し」の公演で、発売とほぼ同時に完売していたチケットがネット上で複数、高額転売されているのをスタッフが確認した。

 サイトに出ているチケットの座席番号から購入元を割り出して、高額転売されたと断定できた座席を貼り出した。

 それまでも人気の公演なのに、なぜか当日の座席が埋まらないことがしばしばあった。

 急用で来場できなくなった人…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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