ツンドラとパルナス、ロシアゆかりの店結んだ手紙 悲しませた戦火

 昨年5月、60年の歴史を閉じた福岡・天神のロシア料理店「ツンドラ」の人気メニューだったボルシチが、大阪府豊中市の「モンパルナス」で復活した。モンパルナスも伝統のピロシキの味を関西で守ってきた店だ。時を超えた「偶然」が二つの店をつないだ。

「古角」 その姓にツンドラ店主は

 昨年5月上旬、ツンドラでは閉店目前の「ガレージセール」が開かれていた。ボルシチの缶詰や食器などが並べられ、閉店を惜しむ客らでにぎわっていた。

 「社長はいらっしゃいますか」。若い男性がツンドラのオーナー、徳永哲宥(てつひろ)さん(78)を訪ねてきた。

 哲宥さんは、母の故・初美さんが1960年に始めた店を2代目として守ってきた。自身に後継者がなく、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあって閉店を決めていた。

 男性は名刺を差し出した。《農林中央金庫福岡支店 古角(こかど)知也》

 「古角と申します」

 哲宥さんはハッとした。閉店準備で母の遺品を整理していた時、出てきた6通の封書。その差出人が「古角伍一(ごいち)」だったからだ。

 兵庫県出身の故・伍一さんは、ピロシキなどを販売し、「モスクワの味」のキャッチコピーと個性的なテレビCMで関西人によく知られたパルナス製菓(2002年に清算完了)を兄と創業した。後に独立し、「モンパルナス」という飲食店を開いた。長く兵庫県尼崎市にあった店は昨年5月、パルナス製菓の本社があった豊中市へ移転した。

 訪ねてきた知也さん(28)…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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