ドングリ凶作→クマ出没増加の恐れ 栃木県「注意を」

 今秋、栃木県内でクマの出没が増える可能性があるとして、県が注意を呼びかけている。今年はドングリの凶作・不作にともないクマが広範囲に移動することが予想される。7、8月に県内で3人がクマに襲われて重軽傷を負っている。

 県自然環境課によると、8月下旬から9月中旬、県林業センター職員が県内4地域を調査した。ミズナラやコナラの枝先50センチの実を目視で確認したところ、ミズナラは県北(那須塩原市)、高原(矢板市、塩谷町)と県南(佐野市)が「凶作」。コナラは県北、高原が「凶作」で2016年より出来が悪いという。

 クマの目撃件数は17年度55件、18年度60件、19年度107件と年々増加。推定生息数も14年度の約270~650頭から昨年度は約420~790頭に増えている。今年度の出没件数は8月末現在で57件と昨年同期より少ないが、襲われて重軽傷を負う被害も相次いでいる。

 同課は、収穫予定のない柿や栗の除去や住宅周辺のやぶを刈り払うなどしてクマを人里に近づけないことが必要と指摘。「山林に入る場合は鈴やラジオなどの音で人間の存在を知らせ、出くわしたら静かに走らず後退して離れてほしい」と呼びかけている。(中村尚徳)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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