ハンセン病療養所、4割が本名名乗れず 残る偏見、差別

 ハンセン病の全国13の国立療養所の入所者のうち、社会に残る偏見と差別などを理由に、4割近い380人が本名を伏せた生活を余儀なくされていることが朝日新聞のアンケートで分かった。社会復帰した後に再入所した人は、少なくとも延べ313人いた。

 患者を強制的に隔離した「らい予防法」の廃止から25年、国の隔離政策の違憲性を認めた2001年の熊本地裁判決から20年を迎えた。長い隔離の末、社会でのつながりが断たれた結果、回復できない「被害」がいまなお続いている。

 朝日新聞は療養所の入所者でつくる自治会にアンケートし、自治会が休止している奄美和光園は園側が答えた。

 13療養所には5月1日現在、計1001人が入所、平均年齢は87歳。予防法廃止時は5413人だった。

 アンケートの回答によると、本名と異なる「園名」を使う入所者は380人いた。地元で差別にさらされる家族への配慮から入所時に園名となり、その後も使い続けている。全入所者に占める割合は38%。5年前に朝日新聞が同様の調査をした時と割合は変わらなかった。

 菊池恵楓(けいふう)園(熊本県)では97人が園名を使っていて、最も多かった。自治会は本名に戻せない理由を、「家族の結婚や就職差別への不安があるため」「ふるさとがどこかさえ言えない人もいる」と説明。栗生楽泉(くりうらくせん)園(群馬県)は入所者の半数以上の38人が園名だ。「半世紀以上使ってなじんでしまい、いまさら本名に戻せない」などという。

 予防法廃止後に再び入所したのは少なくとも延べ313人。短期の入所も含むが、多くは「高齢化して健康不安になっても病歴を伝えづらく、身近な病院に通えない」「頼れる家族や親族がいない」「高齢になり独居も不安」などで、社会での孤立が続く状況がうかがえる。

 自治会は各療養所の入所者で…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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