パラ学校観戦は「ふれあい動物園?」車いす少年の違和感

 新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、その是非が議論になった東京パラリンピックの「学校連携観戦」。車いすに乗っている16歳の少年は、全く違う視点から、疑問を投げかけた。

 「誰と交流するかは自分で決めるし、僕は触れ合い移動動物園じゃない」。パラの開幕前日、ツイッターに投稿した。

 当事者として、どんな思いを抱いているのだろう。

パラ開幕前日「障害のある人ってなに?」

 兵庫県在住のミウラタケヒロさんは生まれつき心臓の病気があり、車いすに乗っている。特別支援学校小学部から不登校になり、中学部を中退した自称「フリーランスのニート」だが、昨年はクラウドファンディングで資金を募り、作家の乙武洋匡(ひろただ)さんらとの対談をまとめた「TKマガジン」を出版したほか、自らの障害についても講演している。

 パラリンピック開幕前日の23日。タケヒロさんはツイッターでこうつぶやいた。

 「障害のある人ってなに?」

 新型コロナウイルス緊急事態宣言下で開催されるパラリンピック。あるテレビ番組では開催の是非だけでなく、「学校連携観戦」が話題になり、出演者のひとりが「障害のある人と子どもたちが話す機会を設けてほしい」と発言した。

 番組でのそのやりとりを紹介したツイートを見たとき、タケヒロさんが思い出したのは、特別支援学校と地域の小中学校の交流のことだった。

 タケヒロさんが入学したのは自宅近くの特別支援学校だった。タケヒロさんの病気を理由に地域の小学校からは「リスクがあり、対応できる教員がいない」などと断られたからだ。

校長の言葉に「自分は教材なのか」

 一方で、特別支援学校と地域の小中学校の生徒が交流する制度があり、地域の小学校の校長先生からこう言われたという。

 「君がうちの生徒と交流して…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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