パンでパリ気分味わうはずが…焼けたツチノコに奮起した

 今年の夏休みは遠出がはばかられる。せめて空想だけでも遠い異国を旅したい。世界各地のパンを焼いて、食べて旅気分に浸ろうと考えた。さて何カ国に行けるかな。

 パン作りが趣味で、教室に通ったこともある。でも、自宅で作るのは食パンやピザなど簡単で日常的なものばかり。まずは世界各地のパンを調べるため図書館へ。そこで見つけた「決定版 世界のパン図鑑224」(平凡社)は必須と判断し、即購入した。

 さて、何から作ろうか。ふと学生時代に1人で旅したパリで、バゲットの紙袋を抱えて歩く男性の姿が新鮮に映ったことを思い出した。何度か挑戦したが、成功したためしがないバゲットに決めた。

バゲットの道は前途多難

 材料は、バゲット専用粉、ドライイースト、塩、水だけ。自宅にあるレシピ本の分量通りに材料を混ぜ、冷蔵庫で一晩かけてゆっくりと発酵させる。最大の難関は成形だ。生地を20センチ角に広げ、三つ折りにしてさらに両側から折りたたみ、台の上で転がして約30センチの棒状に。まっすぐにしなければならないが、太い部分と細い部分があってツチノコのように。嫌な予感がする。

 オーブンに入れる直前に、専用ナイフを使ってクープ(切り込み)を入れる。クープはオーブンの中で生地がしっかりとふくらむのを助ける役割がある。300度に熱したオーブンでスチームをかけながら一気に焼く。

 成形段階でツチノコさながらだった見た目のまま焼き上がった。打ち粉に使ったライ麦粉が粗く、全体的に白っぽくなった。クープが浅かったのか、ふくらみも足りない。またもや失敗。焼きたてをかみしめながら思った。「パンの道は険しい」

記事後半にレシピも
パン作りの旅は山あり谷あり。材料はシンプルでも成形が難しかったり、天候や湿度によってうまくいかなかったり。記者は何カ国を訪れることができたでしょう。記事後半では自宅で簡単に作れるソフトピザのレシピもご紹介します。

■ベーグルやライ麦パン…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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