フィリピンから移送の2人、航空機の座席はシートで遮蔽 記者が同乗

 特殊詐欺グループの幹部だった疑いが持たれている渡辺優樹(38)、小島智信(45)両容疑者を乗せたフィリピン発の航空機に記者も同乗した。

 日本時間の9日午前0時20分ごろ、マニラのニノイ・アキノ国際空港。襲撃に備えた防弾チョッキとみられる黒いベストを着た2人は、移送のために派遣された警視庁の捜査員らとともに航空機に乗り込んだ。

 機内では最後尾にある3列シートとその前列の中央席に縦に並んで座らされ、左右を捜査員が固めた。機体が離陸すると渡辺容疑者はパーカのフードをかぶったまま額を前の席の背もたれにつけ、小島容疑者は自席にもたれかかって前方の様子をうかがっているような状態だった。

 しばらくしてこの一角は緑のシートで遮られ、ほかの乗客からは見えなくなった。

 同2時18分ごろに機体が日本の領空に入り、その約5分後に警視庁が取得していた窃盗容疑の逮捕状が執行された。逮捕時の様子をうかがうことはできなかったが、大きなトラブルはなかったようだ。

 着陸に伴い、緑のシートが取り外された。記者の席から見えた小島容疑者は、他の報道陣や乗客を気にしている様子だった。

 航空機は同4時50分ごろに羽田空港に着陸。2人はフィリピンを出国した際に着ていた黒色のパーカ、薄緑色のTシャツのまま捜査員に囲まれながら到着ゲートに現れ、うつむき気味に歩いて空港を後にした。御船紗子 山口啓太)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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