フロン類満タンのエアコン解体か 容疑の業者「客が来なくなると…」

大山稜

 地球温暖化につながる「フロン類」のガスが充塡(じゅうてん)された状態の業務用エアコンを違法に解体して大気中にガスを排出したなどとして、警視庁は、解体業者「MJ」(東京都町田市)社長の男(56)ら23~72歳の男4人をフロン排出抑制法違反(放出など)の疑いで逮捕し、9日発表した。法人としての同社も同じ容疑で書類送検した。

 生活環境課によると、4人は共謀して今年3~4月、鉄くず販売会社「平山商店」=東京都昭島市=などから業務用エアコン数台を買い取る際にフロン類が冷媒として充塡されているのにそれを確認せず、重機で解体してガスを大気中に放出した疑いがある。2020年7月に都環境局が立ち入り検査で違反を指摘していたが、違反行為が続いていたと同課はみている。

 MJは買い取ったエアコンをスクラップして金属回収業者に売却して利益を得ていたとされる。逮捕された4人は容疑を認め、「違法と分かっていたが、(エアコンを売りに来る)客が来なくなるのが怖かった」などと供述しているという。

 同課は、フロン類を充塡したままMJにエアコンを売却した平山商店の代表ら4人についても、同法違反(証明書の不交付)容疑で書類送検した。解体目的でエアコンを引き渡す際にはフロン類が充塡されていないことを示す証明書の添付が義務づけられているが、証明書を添付しなかった疑いがある。(大山稜)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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