ホテルにアート? コロナ下で突き詰めた「もてなし」は……

 もっとベスト尽くせたんちゃう? 上田聖子さん(39)は、ひっそりと眠ってしまった自分たちのホテルを見て、そう自問した。

 2017年から支配人を務める「ホテル アンテルーム 京都」(京都市南区)は、新型コロナの影響で今年2月から3週間、休館した。

 低価格の宿泊プランを打ち出す手があったかもしれない。感染した軽症者の療養施設の道を探ってもよかったかも。ともに歩んできた仲間たちのモチベーションも保ちたい。そんなあれこれがグルグルと頭を巡り、前年末から通っていた自動車教習所の仮免許の試験に2回落ちた。

 でも、立ち止まってばかりもいられない。「自分にしかできないことって何やろう」。長いトンネルの中で、もう一度見つめ直した。

記事の後半では、上田さんが試みた自分なりのもてなしについて、ご紹介します

 短大で服飾やテキスタイルデザインを学んだ後、21歳で英国のグラスゴーに渡った。5年半の留学の間、版画や絵画をもとに自分にしかできないアートを追求した。工業の街として歴史的に労働者が多かったグラスゴーでは、「なければ作ろう」という「DIY精神」が根付いていた。アーティストはギャラリーやスタジオを自分たちで作る。そんな情熱はいつしか自分の核にもなった。

 帰国して、別の会社で働いて…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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