ホームに転落、列車との隙間は15cm 大学生が救助

 駅のホームから転落した石岡市の視覚障害がある女性(64)を救出したとして、茨城県警石岡署は17日、市内に住む常磐大学3年生の毛利優太さん(21)に感謝状を贈った。毛利さんは「助けるのは当然なこと。大きなケガがなく本当に良かった」と照れくさそうに話した。

 転落事故が起きたのは6日午前8時15分ごろ。毛利さんは休み明けで通学するため、JR石岡駅(石岡市国府1丁目)で勝田行き普通列車を待っていた。イヤホンを左耳につけて音楽を聴いていると、右耳に「カランカラン」と線路に何かが落ちる音が聞こえた。

 すぐに列車がけたたましく警笛を鳴らしながら進入してきた。右斜め前を見ると、数十メートル先でホームにはい上がろうとする女性の顔と両手が見えた。

 「間に合わないかもしれない」。とっさに駆けだすなか、列車はホームの途中で停車した。女性は列車とホームのわずかな隙間に立ちホームに手をかけている姿勢。幅は15センチほどだった。

 夢中で、近くにいた50代くらいの男性と列車の連結部分の隙間から女性の脇を抱え上げた。その時、白杖(はくじょう)に気がつき、目が不自由な人だと初めてわかった。引き上げた後、壁際に移動させると、女性は「ありがとう。電車を止めてしまって申し訳ない」と動揺した様子だったという。

 女性の額から出血があったため、近くの人に借りたティッシュで止血し、駅員が持ってきたガーゼと包帯で処置。駆けつけた救急隊員に引き渡した。夕方に帰宅すると「(女性の)命に別条はありません」と石岡駅から連絡があり、安心した。

 17日には石岡署の角田敏明署…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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