マスク着用緩和へ 介護・保育の現場は…政府方針に複雑な思いも

 新型コロナウイルス対策として、政府がマスク着用に関するルールを緩和する方針を示しました。介護や保育の現場への影響は……。複雑な思いも聞こえてきます。

 「経済を回し、子どもたちに元通りの生活をさせたいという考えは理解できます。でも、高齢者は感染すると重症化しやすく、死に至るリスクもある。施設の職員のマスク着用が、勤務中だけでいいのでしょうか」

 東京都目黒区にある特別養護老人ホーム「青葉台さくら苑(えん)」の施設長、坂井祐さん(46)は疑問を投げかける。

 政府が10日に公表した「マスク着用の考え方の見直し等について」。3月13日からマスクの着用は屋内外を問わず、基本的に個人の判断に委ねることを決めた。満員電車や医療機関の受診では当面着用を勧めるが、ふだんからマスク着用を求める感染対策は終了する。高齢者施設などの従事者には勤務中のマスク着用を推奨。学校教育活動でも4月1日以降、マスクの着用を求めないことを基本にするとした。

 坂井さんはこう話す。「電車で通勤する職員もいるし、子どもがいる職員も少なくありません。職員の暮らしの場と施設はつながっているんです。世間がコロナ対策を緩和すれば、職員がウイルスを外から持ち込み、施設内での感染リスクは高まるのが心配です」

「最大限の感染防御」 続けざるをえない

 厚生労働省が公表している高…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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