メール返信なし、フリーズで使えぬ学校 デジタル教科書に課題山積

 「デジタル教科書」について議論している中央教育審議会(文科相の諮問機関)の作業部会が25日に開かれ、デジタル教科書が2024年度、まずは小5~中3の英語から導入される見通しとなった。だが、通信環境の差など、まだ多くの課題が残る。

 「日本語の読み書きでつまずく外国籍の児童や(障害の有無にかかわらずともに学ぶ)インクルーシブ教育の視点から、国語や社会も入れて欲しかった」。英語からの導入について東京学芸大付属小金井小学校の鈴木秀樹教諭はそう話す。

 今年7月、同校でデジタル教科書の研究授業が開かれた。子どもたちは端末画面の背景色を変えたり、文字を拡大したり、マーカーで色分けしたりと各自で使い方を工夫。音声読み上げ機能で聞く子もいる。デジタルならではの利点だ。

 だが、デジタル教科書は教科書会社によってまだ機能の差が大きい。英語も、英文をクリックすれば音声で読み上げる教科書がある一方、別ページに飛ばないとできない教科書もあるという。鈴木教諭は「デジタル教科書は機能やコンテンツの充実がカギ。アニメーションや動画など様々な教材が支障なく使えるインフラを整え、紙でもデジタルでも使いやすい方法を子ども自身が選べるようにしてほしい」と語る。

 デジタル教科書が導入されようとするなか、アナログな学校現場が「壁」として立ちはだかる。

 文部科学省では21年度に全…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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