ワンオペ育児、動物行動学では不合理? 「アロマザリング」に再注目

 核家族化が進み、「ワンオペ育児」に苦しむ母親は少なくない。「1人で子育てをするのは当たり前」という社会風潮も根強いなか、動物行動学の考えではそんなことはないという。母親以外が子育てにかかわることは「アロマザリング」と呼ばれ、様々な生きものの繁殖に役立ってきたとされる。近年、人間の子育てにおいても改めて注目されているという。

 北九州市の西南女学院大で7月2日、「中高生のための絵本講座」が開かれた。短期大学部保育科の学生が絵本の読み聞かせをデモンストレーションしたあと、参加者は絵本を手に取って読み聞かせに挑戦した。小中学生や男性の姿もあった。

 講座は6月18日とこの日、地域公開講座として中高生に子育てに参加するきっかけにしてもらおうと開かれた。企画した同大短期大学部保育科の命婦恭子准教授(臨床心理学)はアロマザリングがテーマという。「子育て世代の悩みのなかには、経験不足によるものも多い。次に親になる世代が子育てに参加して経験を増やすことにつながれば」と話す。

 長年研究してきた早稲田大の根ケ山光一名誉教授(発達行動学)によると、「アロ」は「他の」「他者」を意味する接頭語で、アロマザリングは、母親以外が子育てをすることを指す。1970年代に米ハーバード大の社会生物学者らを中心に論じられたことにさかのぼる。

 たとえばミツバチ。女王バチ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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