三菱電機、サイバー攻撃を認める 「被害や影響なし」

 三菱電機は20日、「当社のネットワークが第三者による不正アクセスを受け、個人情報と企業機密が外部に流出した可能性があることを確認している」と発表した。大規模なサイバー攻撃を受けたことを認めたうえで、「該当の方々や関係するお客様に多大なるご心配とご迷惑をおかけすることを、深くおわび申し上げます」とコメントした。

 発表によると、同社は昨年6月28日に端末の不審な挙動を認識。その後、速やかに外部からのアクセスを制限するなどの対策を講じたという。いまのところ、「被害や影響は確認されていない」としている。「社内調査の結果、防衛・電力・鉄道などの社会インフラに関する機微な情報、機密性の高い技術情報や取引先に関わる重要な情報は流出していないことを確認済み」と説明している。

 広報担当者によると、流出が疑われるのは、社員の氏名や生年月日などの個人情報や、社内会議などの資料に載った取引先に関する情報だという。ただ、流出が疑われる取引先の情報は具体的に明らかにしていない。

 菅義偉官房長官も20日午前の閣議後会見で、三菱電機が大規模なサイバー攻撃を受けていたことを認め、「防衛装備品や電力関係などの機微情報の流出がないという報告を受けている」と述べた。

 同社は中国系のサイバー攻撃集団が不正アクセスに関与したとみており、官民の取引先に関する情報流出が懸念されている。菅氏は流出した可能性があるのは「採用応募者や社員に関する個人情報、三菱電機自社の営業、技術関連情報など」とし、防衛関連などの機微な情報は含まれていないとの同社からの報告を明かした。「政府としても、経済産業省、NISC(内閣サイバーセキュリティセンター)を中心に引き続き注視をしていきたい」とも述べた。

 三菱電機の株価は20日、東証1部上場銘柄の7割以上が値上がりする中、値下がりしている。午後1時時点の株価は、前週末17日の終値より25円安い1560円。


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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