上野動物園生まれのパンダ・シャンシャンが中国へ 19日が最終公開

本間ほのみ

 上野動物園(東京都台東区)で生まれ育ったジャイアントパンダのシャンシャン(メス)が21日、中国に返還される。上野で生まれたパンダが中国へ渡るのは、1992年にユウユウが繁殖のために北京動物園へ行って以来だ。上野で過ごす最後の日曜日となる19日が最終公開日となる。

 シャンシャンは2017年6月12日、父親のリーリーと母親のシンシンの間に生まれた。88年のユウユウ以来、29年ぶりに順調に成長した赤ちゃんだった。現在5歳8カ月だ。

 リーリーとシンシンには12年にも子どもが生まれたが、6日後に死亡。翌年にも交尾は確認されたが、妊娠していなくても兆候が表れる「偽妊娠」で、誕生には至らなかった。ようやく生まれたのがシャンシャンだった。

 当時、記者会見に臨んだ福田豊園長は「感無量です」と喜んだ。街も沸いた。園に近い松坂屋上野店では、外壁に「赤ちゃんパンダ誕生おめでとう」と書かれた垂れ幕がかかり、屋上にはパンダのアドバルーンが上がった。

 名前の募集には過去最多の32万2581件が寄せられた。抽選による観覧で始まった一般公開では、最高倍率が144倍になった。

 誕生直後はわずか147グラムだった体は、いまは95キログラムになった。21日は園から陸路で成田空港に向かい、チャーター便で中国へと旅立つ。四川省の施設で過ごす予定。個体数の多い中国でパートナーを見つけ、繁殖を目指す狙いだ。

 両親のリーリーとシンシンは中国から貸与されており、東京都と中国との協定ではその子のシャンシャンの所有権も中国にある。貸与された両親から上野で生まれて中国に行く最初のケースになる。

 19日の最終公開は抽選制で、受付は終了した。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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