下校中に聞こえた「助けて」ハンドボール部の中1が見せた連係プレー

阿部育子

 川で溺れている人を見つけ、救助に尽力したとして、神奈川県警幸署が、いずれも川崎市立南加瀬中学校1年の渡辺薫さんと佐波比呂斗さんに感謝状を贈った。

 9月12日午後4時ごろ。いつも一緒に下校する2人の耳に切迫した声が聞こえてきたのは、通学路の鶴見川沿いを歩いていたときだった。「助けて」

 聞こえてきた方角を見渡すと、川で溺れている男性の姿。「びっくりして、一瞬頭が真っ白になった」という2人だが、すぐ救助に動いた。渡辺さんは男性を見失わないよう注視し、佐波さんは助けてくれる大人を探しに向かった。

 大人たちが集まり、救助作業が始まったが、その間も渡辺さんは川の近くに緊急用の救命胴衣が設置されているのを思い出し、取りに向かった。一方、佐波さんは駆けつけた救急車を誘導するなど、各自ができることを考えて行動した。男性は救助され病院に搬送されたが、無事だったという。

 ともにハンドボール部に所属し、小学校の頃からの仲良しの2人。佐波さんの将来の夢は「消防士」だといい、自信がある体力を人助けに生かしたいと話す。

 幸署の長谷善明署長は「適切な行動をとってくれた」と2人をたたえた。渡辺さんと佐波さんは「助けられてよかった」とはにかんだ。(阿部育子)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment