中間貯蔵「町を壊す」「金ないんじゃけ…」 山口・上関町が揺れた日

 山口県上関町の西哲夫町長は18日、中国電力から申し入れのあった使用済み核燃料の「中間貯蔵施設」設置に向けた調査について、受け入れを表明した。上関町議会は臨時会を開き、受け入れの是非を協議した。一方、役場前には早朝から反対する人たちが集結し、周囲が騒然となる場面もあった。この日の動きを追った。

 7:35 役場前に原発反対派の人たちがすでに数十人集まっていた。前回町長選で西町長に敗れた木村保さん(75)は「まずは調査といっても中間貯蔵施設を受け入れることが原発推進の動きにつながっていく。賛成多数だから受け入れを進めようという町長の姿勢にも疑問がある。自分は反対の立場を示すためにやってきた」

 8:00 役場前で臨時会の傍聴席20席をめぐる抽選がおこなわれた。傍聴席を求めたのは90人。並んでいる人のなかには「次世代に責任ある決定を」と書かれたスケッチブックを掲げる人も。町は、議場に入れなかった人向けにも、議場の様子がモニターで見られる会場を役場1階に設けた。

 8:30 西町長が自家用車で役場前駐車場に到着。「今回の騒動を引き起こした張本人は西町長である。そもそも最初のやり方が間違っていた」の横断幕を持った人々など約50人に車を囲まれて動きが取れなくなった。反対派の人たちが「中電(中国電力)の悪徳商法にだまされてはだめ」「一部の人間だけで決めるな」「これのどこが町づくりだ? 町を壊している」などと口々に叫んだ。町職員は「庁舎の管理権限に基づき警察を呼ぶことになります」と警告した。

 8:40 反対派が西町長の車を取り囲む現場に、警察官が到着。数分後、反対派の人たちを車周辺から引き離した。西町長は車を出て、午前9時前に役場内に入った。

 様子を見ていた町内の女性(…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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