事件で失った娘の遺志を継ぎ 温泉街で料理店を開いたベトナム人夫婦

 福島県二本松市安達太良山ふもとに広がる岳温泉。地元の人や登山客らに愛される老舗の温泉街に今年、ベトナム料理店が開店した。店の名前は「ハオ・グエン・ショップ」。

 店を営むのはレェ・アイン・ハオさん(41)とグエン・ティ・グエンさん(37)夫婦。理不尽な事件に巻き込まれて亡くなった、まな娘の遺志に応えようと、縁もゆかりもなかった福島にやってきた。

 「いらっしゃいませ」。訪れた客に夫婦で、はじける笑顔とともに日本語で話しかける。

 旅館だった建物を改装し、約60席を構える。店内には、葉でできた円錐(えんすい)形のカラフルなベトナムの笠「ノンラー」が飾られ、メニューには母国の定番、麺料理「フォー」やサンドイッチ「バインミー」、ベトナムコーヒーなどが並ぶ。

 2人の娘は、レェ・ティ・ニャット・リンさん。6年前の3月、千葉県松戸市で、当時小学3年生だったリンさんは登校中に行方不明になり、遺体で発見された。通っていた小学校の保護者会長だった男に連れ去られ、殺害されていた。

「日本とベトナムの架け橋になりたい」

 事件後、娘を亡くした喪失感…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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