京アニに小説を応募、落選 「裏切られたような気分」 青葉被告語る

光墨祥吾

 36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人など五つの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第5回公判が13日午前、京都地裁で始まり、弁護側の被告人質問が続いた。

 青葉被告は30代で小説を書き始め、16年に京アニに長編と短編の作品を応募し、落選したことが明らかになっている。被告人質問で落選時の気持ちを聞かれ、「がっかりした。裏切られたような気分」「ここに送ったのは間違いだったかなと思った」と述べた。長編作品は、青葉被告が好意を寄せていた京アニの女性監督の誕生日に応募したとし、「(女性監督に作品を)託す気持ちになった」と説明した。

 青葉被告は、応募作などから京アニにアイデアを盗用されたと主張している。11日の被告人質問では、京アニ2作品の映像の一部が流され、「Free!」という作品については「(何らかの方法で)すでに流出した原稿からパクられたと考えざるを得ない」、「映画けいおん!」には「(映画を見た)当時はパクられたのかなとの感覚だった」などと述べていた。

 検察側は、青葉被告が京アニに盗用されたと思い込むなどし、犯行を「筋違いの恨みによる復讐(ふくしゅう)」と主張。弁護側は、女性監督のブログに「自分が送った小説のアイデアが書かれていた」とし、「闇の人物と京アニが一体となって、自分に嫌がらせをしていると混乱した」とし、事件当時に責任能力がなく無罪だと反論している。

 起訴状などによると、青葉被告は19年7月18日、京都市の京アニ第1スタジオの正面出入り口から侵入し、ガソリンを1階中央フロアで社員に浴びせかけるなどして放火。スタジオを全焼させ、当時70人いた社員のうち36人を殺害、34人を殺害しようとし、うち32人を負傷させたとされる。(光墨祥吾)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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