京アニ放火事件4年、9月5日から被告の裁判 刑事責任能力が争点に

 京都アニメーションのスタジオ(京都市伏見区)が放火され36人が亡くなった事件で、殺人や現住建造物等放火などの罪で起訴された青葉真司被告(45)の裁判員裁判は9月5日から京都地裁で始まり、来年1月25日に判決が言い渡される予定。刑事責任能力の程度が争点で、動機について被告が何を語るかが焦点になる。

 143日間に及ぶ裁判で、検察側は、被告は完全責任能力があったと主張し、弁護側は責任能力のない「心神喪失」か、著しく減退した「心神耗弱」だったと反論するとみられる。関係者によると、精神鑑定をした医師のほか、京都アニメーションの八田英明社長や、京都市消防局の職員らが証人として出廷する予定。被告人質問では、遺族らが直接質問する機会も設けられる。

 事件は2019年7月18日午前10時半ごろに発生した。起訴状などによると、被告が3階建ての第1スタジオに侵入し、1階にガソリンをまいて放火。建物延べ約700平方メートルが全焼し、アニメを制作していた社員ら36人が亡くなり、32人が重軽傷を負ったとされる。

 被告は事件で重いやけどを負ったが、治療を受けて会話ができるまでに回復し、約10カ月後に逮捕された。

 京都府警の発表では、逮捕時に容疑を認め、「ガソリンを使えば多くの人を殺害できると思った」と供述したとされる。捜査関係者によると、動機について「小説を盗まれた」と説明。被告の名前で京アニに応募した小説はあったが、同社の作品と目立った類似点はなかったという。(光墨祥吾)

京都アニメーション放火殺人事件の経緯

2019年

7月18日 事件発生。京都府警が青葉真司容疑者の身柄確保

  20日 殺人などの容疑で逮捕状

  26日 府警がさいたま市の容疑者宅を家宅捜索

11月8日 府警が容疑者の入院先の病室で任意聴取

  14日 容疑者がやけどの治療を終え、転院

20年

5月27日 府警が容疑者を殺人などの容疑で逮捕

6月9日 容疑者が勾留理由開示の手続きで京都地裁に出廷。京都地検が鑑定留置を請求し、認められる

12月11日 鑑定留置終了

  16日 地検が容疑者を殺人などの罪で起訴

21年 京都地裁が2度目の精神鑑定の実施を決定

23年

5月8日 公判前整理手続きが始まる

9月5日 初公判(予定)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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