京都から輪島へ とろりとやさしく 漆椀のなかに溶け合う僕の道のり

記事の後半でレシピをご覧いただけます

 石川・輪島のオーベルジュ「茶寮杣径(そまみち)」の料理長、北崎裕さん(51)はいま、金沢市内に場を借り、料理を作っています。休みの日に能登へと炊き出しに向かう道すがら、変わらぬ立山を眺め、変わった日常を考えるといいます。海と山とこれまでの道のりから生まれる北崎さんのレシピを、2回連載でお届けします。

 料理人になるきっかけは、日本美術の歴史を学んだ東京での大学時代にあります。「工藝(こうげい)」に心ひかれ、「自分は言葉を操るより、手を動かして、手で考えたい」と、それまで特段興味のなかった料理の世界をのぞいてみることにしました。

 「いずれは陶芸をやりたい気持ちもあって、まずは伝統文化が集約された料理から始めようと。人生を80年とすれば、回り道とは思いませんでした」

 門をたたいたのは、京都の懐石料理店です。場違いな新人で、職場はとても厳しい。一方で暦や祭礼と食が密接な京の暮らしは新鮮で、朝の庭掃除すら爽快でした。

 暮れは徹夜でおせちを仕上げ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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