令和初“一番福”は高校教諭「一歩踏み出す勇気と挑戦の大切さ伝えたい」…西宮神社「福男選び」(スポーツ報知)

 商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社・西宮神社(兵庫県西宮市)で10日、本殿への参拝一番乗りを目指して参拝客が境内を走り抜ける「開門神事福男選び」が行われた。令和初の「一番福」は大阪・堺市在住の高校教諭で野球部監督の黒木悠輔さん(33)が勝ち取り、「二番福」は地元、西宮市の高校1年生・藤本陽紀(はるき)さん、「三番福」は神奈川・川崎市で就職活動中の川畑陽平さん(27)だった。

 江戸時代ごろから定着した恒例の神事。参加者約5000人が早朝の境内約230メートルを駆け抜けた。高らかに右手を突き上げ「一番福」に駆け込んだのは、13年連続参加の黒木さん。大阪府立藤井寺工科高の保健体育科教諭で同校硬式野球部の監督。「ビックリしているの一言です。福男に選ばれたからには、充実した1年間を過ごすことと、福を分け与えられる1年になれば」と興奮気味に話した。

 同校野球部の部員は現在、3年生が引退して10人。黒木さんは「公式戦で勝っていないが、一生懸命やっている。今も公式戦1勝を目指してトレーニングに励んでいるので、その励みになれば」と話した。“13年目の一番福”についても「教員ですので、粘って一歩踏み出す勇気と挑戦することの大切さを伝えたい」と教師としての顔をのぞかせた。

 小学1年から中学、高校と野球一筋。100メートル11秒台の俊足も健在で、ぶっちぎりの「一番福」だ。歴代の福男らで構成される団体「開門神事講社」を中心にスタート位置のくじ引き抽選を実施しているが、黒木さんが引いた番号は31番。最前列からのスタートではなかったものの「3列目の真ん中から、こけないことをイメージして30メートルまでは3番手。ストレートで抜くことができました」と冷静に振り返った。

 福男選びに参加するきっかけは、19歳の時に見たテレビの光景。「全力でやっているのが輝いて見えた。参加することに意義がある」と、どの順番からのスタートでも真剣に走り続けてきた。この日は部員にも職場にも内緒で参加。「この後、出勤しますのでどうしよう。法被を着ていこうかなと思っています」と笑わせた。

 ◆「二番福」は高1陸上部 「二番福」の藤本さんは初参加ながら、高校の陸上競技部で鍛えた100メートル11秒15の俊足を飛ばした。「いつも練習している靴で走りました。先輩や両親からもらってばかりなので、分け与えられる人になりたいです」とはにかんだ。神奈川県から参加した「三番福」の川畑さんは8日に参加を決定。「青春18切符が余っていたので(参加を)決めました。昨年はあまりいい一年ではなかったので、人生を一歩踏み出せるきっかけにしたい」と、それぞれ喜びをかみ締めた。

 ◆藤井寺工科高(大阪府藤井寺市)1963年4月に大阪府立河南工業高等学校として開校。67年4月に大阪府立藤井寺工業高等学校に校名変更。2005年4月に大阪府立藤井寺工科高等学校となる。硬式野球部は春夏ともに甲子園出場はなく、70、74年に夏の大阪大会で4強入り。16年から4年連続で初戦敗退。

報知新聞社

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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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