企業型保育所、相次ぐ助成金不正 「量を優先」審査甘く

 内閣府が所管する企業主導型保育事業をめぐって、国の助成金計約2億円を詐取したとして、東京地検特捜部は23日、福岡市の経営コンサルタント会社「WINカンパニー」社長の川崎大資(だいし)容疑者(51)=福岡市=を詐欺の疑いで再逮捕し、発表した。同社元社員の佐藤佑紀容疑者(29)=川崎市=も逮捕した。地検は認否を明らかにしていない。

 企業主導型保育所は企業などが設置して運営する施設。一定の基準を満たせば整備費の4分の3や運営費を国が助成する。同社は助成の申請手続きの代行をしていた。

 発表などによると、2人は2017年11月~昨年8月、保育施設「キッズランド法華西町」(名古屋市中川区)と「キッズランド天神」(福岡市中央区)について、内閣府から事業を委託されている公益財団法人「児童育成協会」に対し、虚偽の工事請負契約書を提出するなどして、整備費計約2億円を詐取した疑いがある。

 「天神」について、協会は整備費を不正受給と認定し、5日付で助成決定を取り消して返還を命じた。「法華西町」は助成申請が取り下げられたため、助成金の返還を求めている。関係者によると、協会はほかの複数の施設でも不正受給があったとみており、返還を命じる方針だ。川崎容疑者も周囲に不正受給を認めているという。

 特捜部は23日、川崎容疑者ら3人を、横浜市の信用組合から融資金約1億1千万円をだまし取ったとして詐欺などの罪で起訴した。

 企業主導型保育事業は、国の待機児童対策の目玉として2016年度にスタートした。だが助成をめぐる不正は各地で相次ぐ。背景には、国の制度設計のずさんさや審査の甘さがある。

 事業が始まった16年は、「保…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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