休校の時こそ「不登校の気持ち」考えて 漫画家が配信

 新型コロナウイルス感染防止のため学校が一斉休校するなか、不登校の子どもの気持ちを考える講演が22日、ネット配信される。自身も不登校を経験し、漫画家として不登校を取り上げた作品がある棚園正一さん(37)=名古屋市=が、当時の感情を保護者らに向けて語る。「どの子も負い目なく休める今だからこそ、学校以外の過ごし方や学び方を親子で考える機会になれば」と話す。

 棚園さんは小中学生のときに不登校だった。当時、売れっ子だった漫画家・鳥山明氏に憧れ、漫画家を目指すようになった。2015年に実体験をもとにした「学校へ行けない僕と9人の先生」(双葉社)を出版。4月からは、不登校の主人公が大人になっていく過程を描いた続編がネットで無料公開される。

 講演会は当初、愛知県岡崎市の商業施設で定員50人の有料講演会として開催予定だった。様々な催しが中止になるなか、急きょオンライン動画で無料配信することにした。

 ネット配信では、自著「学校へ行けない」のマンガのシーンを使い、棚園さんが当時の心情を語る。主人公の小学生が、自分を世界の落第者のように感じ、ふとんから抜け出せず幻覚を見る描写などを紹介する。午後2時から約1時間、ツイッターやインスタグラムなどで動画配信し、ユーチューブにも後日、アップする。

 講演会のきっかけは、不登校支援に取り組み、岡崎市の小学校で教員補助などをする箱川香織さん(38)と共演したラジオ番組だった。箱川さんの「子どもが何を気にしているのか、何に心を痛めているのか知ってもらいたい」という思いに、棚園さんが共感した。「今は学校に行きたくても行けない状況だとは承知の上で、あえて伝えたい」。棚園さんは、そう訴える。

 問い合わせは箱川さんのメールアドレス(kaorippin1322@gmail.com)へ。(小川崇)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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