会社と争議、残業代は得られたが…戦わない同僚にも支払われ空しい

 社会人3年目の20代女性です。会社と争っていることに疲れ果てました。

 私の会社ではセクハラパワハラ、法を無視した労働がまかり通っており、うつ病になりました。家族と相談し、労働組合に加入して会社と交渉することにしました。会社はしらを切り、交渉のたびに個人攻撃され、うつ病はよりひどくなりました。復帰できても、周りからは白い目で見られるだろうし、出世は諦めないといけないよなと思わざるをえませんでした。

 交渉の結果、社員全員に未払い残業代が払われることになりましたが、何も戦っていない人も同額をもらっている姿を見て、空しくなりました。会社は変わらないし、会社の言いなりに働いている人が出世していくし、何も意味がなかったんじゃないか……と。

 今までも労働環境で精神病になった社員はいましたが、全員が退職して新天地で働いています。それを見て、自分はなんて馬鹿なことをしてしまったんだと後悔します。社内にも「応援してるよ」と言ってくれる人はいますが、組合に加入したり、交渉に加わったりするのは難しいと断られ続けています。

 そういうことが何度もあったので、自分が善意で、正義感を振りかざしてやった行為は自分を苦しめるだけだったと結論づけるしかありません。やり切れない思いです。

回答者 政治学者・姜尚中さん

 あなたの怒り、やるせなさで頭を過(よぎ)るのは、「公憤」という言葉です。純粋に私的な利益や思惑が害されて湧き起こる怒りが「私憤」だとすれば、あなたの場合は社会的な正義や公正について共有されていなければならない基準が侵害された時に感じる怒りです。それは、大袈裟(おおげさ)に言えば、「神の怒り」に近いものであり、「公憤」に突き動かされたあなたの言動には一点の瑕疵(かし)もないはずです。

 にもかかわらず、惨めな気持…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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