住民への周知、速さか正確性か 神奈川・受刑予定者逃走、残った教訓(カナロコ by 神奈川新聞)

 神奈川県愛川町で6月に発生した実刑確定者の逃走事件は、住民への情報発信を巡り課題を残した。周知の遅れに批判が集中した横浜地検の対応もあって、県警は地元自治体への速やかな情報伝達に心を砕く。一方で、不確定要素がある段階での情報提供はいたずらに不安をあおることにもなりかねない。速報性と正確性のはざまで、現場の警察署や自治体の関係者が苦慮する姿も浮かぶ。

 刑務所への収容を逃れようと、県内を転々とした男が6月23日朝に横須賀市内で逮捕され、地域が落ち着きを取り戻そうとしている矢先のことだった。

 同26日午前0時半ごろ、相模原市中央区のマンションで、20代の男が刃物で男性の手を切り付けて逃走したと、110番通報があった。市緊急対策課によると、市消防から一報が入ったのは同2時10分ごろ。市は相模原署と連携し、同6時すぎに「刃物を所持した犯人が逃走しています」と防災メールで注意喚起した。市立小学校2校が校長の判断で登校時間を遅らせる措置を取った。

 男女間のトラブルが発端とみられ、署は第三者に危害が及ぶ可能性は低いとみていたものの、「万一にも何かあってはいけない」と情報提供。市も「市民に危害が加わる危険性が少しでもあったので発信した」とした。

 同日午前10時ごろには、横浜市瀬谷区でも類似事案があった。「親子げんかをして、息子が刃物を持って家を出ていった」との110番通報を受け、県警は刃物の所持について確証がなかった正午の段階で、「刃物を持った男が自宅を出たとの通報がありました」との防犯メールを配信。近隣の小中学校には子どもたちに校舎内にいるよう促す指示があり、幼稚園や保育園にも周知された。

神奈川新聞社

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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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