保育は子の利益のために 給食事故調査で感じた「ひとごとではない」

 愛媛県新居浜市の保育園で昨年5月、生後8カ月の男児がリンゴなどの給食後に重体になった。再発防止のための市の検証委員会で委員長を務めたのは、松山東雲短期大学の岡田恵准教授(57)。保育士の経験を原点に、学生たちに教えている。保育を取り巻く状況を聞いた。

 ――保育士を目指す学生は増えていますか

 私の短大の保育科の定員は100人ですが、志願者はやや上回っています。

 しかし、それは全国的に見ると恵まれている方で、定員割れしたり、募集を停止したりする大学は増えています。ここ5年は顕著です。背景に、保育士は給料が安いとか、人間関係が難しそうといったイメージがあると感じます。

 一方で、保育士のニーズは高まっています。

 こども家庭庁の2022年10月の調査で、保育士の有効求人倍率は2・49倍。保育士1人に対し、2・49カ所の保育所が求めている計算です。全職種平均が1・35倍なので非常に高いです。

 ちなみに、四国では高い順に徳島(2・39倍)、愛媛(2・25倍)、香川(1・74倍)、高知(1・51倍)です。

 ――保育所を利用する人は増えている

 そうです。昨年4月1日時点の同庁の調べで、保育所などを利用する人の割合は52・4%で、この10年間はずっと右肩上がりです。1、2歳児の利用率は57・8%です。

 少子化とされる一方で、働かないと子育てができない現状があります。

園長は保育士経験がなくても…

 ――保育士の給料が安いイメージがある、とおっしゃいました

 愛媛県の初任給を調べましたが、保育所の初任給は大学卒で約18万1千円、短大卒で約17万6千円でした。他職種と大きな差はありませんが、その内容や昇給制度などに改善点があると思います。

 保育科の卒業生から聞き取り…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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