保育園の現場「未検査」、コロナ禍で急増 問題の指摘数は高止まり

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中井なつみ、田渕紫織

 保育園が適切に運営されているか、年に1回以上、自治体職員が現場を確認することが児童福祉法施行令で義務づけられている「実地検査」(指導監査)について、新型コロナウイルスが拡大した2020年度以降、実施できなかった認可保育園の数が急増したことが、朝日新聞の自治体アンケートでわかった。未実施の施設は19年度は760件ほどだったが、コロナ禍の20、21年度は3千前後にのぼった。一方、実地検査を受け、問題が見つかった園に示される「文書指摘」の数は同時期に2千~3千件台で推移し、重大事故につながるような事案も多く見つかっていた。

 待機児童対策として保育園が急ピッチで整備されたが、送迎バスの園児置き去りなど保育をめぐる問題が続く中、識者からは「保育の質を保つために実地検査は不可欠。コロナ禍でどう続けるか急ぎ検討するべきだ」との声があがる。

 朝日新聞は政令指定市、東京23区、昨年4月時点で待機児童が50人以上だった計62自治体に、過去3年度で実地検査を行えなかった園の数や、実地検査の結果を聞いた。東京都大田区は目黒区、渋谷区は全てもしくは一部回答しなかった。

文書指摘は保育士の配置不足が多数

 アンケートによると、実地検…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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