倉敷の河川合流地点付け替え「バイパス」に思わぬ難敵が

【動画】西日本豪雨関連)小田川バイパス「柳井原貯水池」の外来魚を駆除=小沢邦男、依知川和大撮影
小田川と高梁川の合流地点付近(手前)。柳井原貯水池(中央)は、新合流地点へのバイパスとなる=2021年6月22日午後、岡山県倉敷市、朝日放送テレビヘリから、白井伸洋撮影

 3年前の西日本豪雨で河川の氾濫(はんらん)が相次いだ岡山県倉敷市真備町では、二つの河川の合流地点を付け替える工事が続く。5年がかりの公共事業に、思わぬ難題が浮上した。バイパスとなる貯水池の外来魚だ。

「ここに産んで」人工産卵床設置

 倉敷市船穂町の柳(やな)井(い)原(ばら)貯水池に6月中旬、近くで大型トラックがガタガタと土砂を注ぎ込むなか、ウェットスーツ姿の男性1人が入っていった。水面の目印を目指して泳ぎ、縦60センチ、横80センチの人工芝を水中から回収して帰ってきた。

 男性は、国土交通省が委託した業者の社員。回収した芝は、ブラックバスなどのための「人工産卵床」。増やすためではなく、駆除のための道具だ。全国の湖で外来魚駆除に使われている。

人工産卵床のイメージ図

 今年3月に計35枚を設置。3~9月の産卵期に駆除を進める。多ければ1枚の表面に1万個以上、大きさ1ミリほどの卵が産み付けられているという。この日は卵を確認できなかったが、業者は「池は広い。より効果的な設置場所を探りたい」という。

 柳井原貯水池では今、複数の外来魚駆除作戦が繰り広げられている。

 卵の段階で「一網打尽」にす…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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