元上司「笑って見過ごした」と証言 五ノ井さん、法廷内で倒れて搬送

村上友里

 陸上自衛隊郡山駐屯地福島県)に勤務していた元自衛官、五ノ井里奈さん(23)への強制わいせつ罪に問われた元自衛官3人=懲戒免職=の公判は31日、福島地裁で元上司=同=の証人尋問があった。元上司は、うち2人が「腰を振っているのを見た」と証言した。この尋問中、被害者として公判を見守っていた五ノ井さんが法廷内で倒れ、救急搬送された。

 元自衛官の渋谷修太郎(30)、関根亮斗(29)、木目沢佑輔(29)の3被告は2021年8月、北海道の陸自演習場建物内で五ノ井さんを押し倒し、何度も腰を動かして接触させるなどしたとして、今年3月に起訴された。3人は初公判で「腰を振るような行為はしていない」などと述べ、無罪を主張した。

 元上司はこの日の尋問で、事件翌月の内部調査に対し、腰を振るような行為を「見ていない」とうそをついたが、五ノ井さんが実名で被害を告発したことなどから、正直に話そうと考え直したと述べた。3人を守るためにうそをついたが「罪悪感があった」と振り返った。

 事件時は「周囲が笑いに包まれており、(自分も)ただ笑って見過ごした」と説明。「真実を述べていたら(五ノ井さんが)長い間苦しまず、解決できたのかなと後悔している」とも述べた。

 五ノ井さんは、弁護側が元上司に事件時の状況を聞いていた際、呼吸が苦しそうな状態となり、いすから床に倒れた。弁護士によると、体調は回復したという。(村上友里)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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