元看護師長が930万円詐取か 患者の預かり金、書類2000枚偽造

保坂知晃

 公益社団法人岐阜病院(岐阜市)は12日、看護師長をしていた40代女性が、精神科の入院患者22人から預かった現金計約930万円を不正に引き出していたと発表した。病院は元看護師長を懲戒解雇し、今月7日に岐阜中署に詐欺などの容疑で告訴状を提出した。

 病院では、入院患者が日用品を購入する現金を預かり、銀行口座で管理していた。引き出しの際は患者が書類を書いて看護師長の確認印をもらい、会計課で払い出しを受ける取り決めとなっていた。

 元看護師長は2020年7月~今年3月、患者の署名や金額を勝手に記入して書類約2千枚を偽造。コロナ禍で人との接触が制限されたことに乗じて「患者の代わりに受け取りにきた」などと会計課職員をだまして、現金を詐取していた。130万円を取られた患者もいたという。

 不正は、4月に元看護師長が他部署に異動した後に発覚したという。病院は弁済のため、患者らと面談を始めたという。記者会見した鈴木祐一郎院長は「患者が金銭管理が十分にできないことを利用した不正に憤りを感じる。病院を信頼してもらっている患者の家族にも申し訳ない」と述べた。(保坂知晃)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment