児童の「あだ名」、教員が取るべき対応は 研究した心理学者の答え

 いじめを防ぐ狙いで、児童が互いを「あだ名」で呼ぶことを禁止し、「さん」付けを求める学校があるようです。そもそも、何のためにあだ名はつけられるのか。大人が呼び方を誘導すればいいのか。児童の呼称に詳しい中部大学教授の三島浩路さん(社会心理学)に聞きました。

 小学校の教員を約20年していました。そのときに、子どもたちの呼び方には何か規則性があるのかという研究をしました。児童があだ名をつけるのには、大きく分けて二つの面があります。

 一つは、児童が学校生活のほとんどを一緒に過ごす「仲良しグループ」をつくる場合です。この傾向は女子に強く出ますが、グループ内ではあだ名で呼び合い、その外にいる子には「さん」付けをする。親密な関係を表すためにあだ名を使い、言葉によって集団の内外を明確に分離しているのです。同じグループの仲間かどうか、呼んだ子と呼ばれた子の間だけでなく、周りの子に対して2人の関係性を示す機能もあります。

 もう一つは、クラス内の階層…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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