全ての人を見下す医者の父親 殺意さえ湧く高校生の息子

 10代、高校生男子です。

 父親が憎くてたまりません。殺意さえ湧きます。あの男を父と呼ぶのも嫌なので仮に「男」とさせていただきます。

 男は医者で、家の中では「俺は何でも自分でできる」「俺以外はみんなクズ」などと口にし、すべての他人を見下すような性格で、母は昔から苦労させられてきました。それをとがめられると瞬時に逆上し、「誰のおかげで生活させてもらえると思っているんだ」「文句があるなら今すぐ出ていけ」「何もできないガキが生意気な口をきくな、ガキに人権はねえ」と言い、しまいには「こんなこと言うのはてめえの教育のせいだ」などと母に当たり散らします。

 子供は親に養育されなければ何もできないので親にはもちろん感謝していますが、父親ってそんなに偉いのでしょうか? また、世の父親ってみんなこうなのでしょうか?

 相手を変えることは無理そうなので周りが何とかすればいいと今まで我慢してきましたが、最近限界に達しそうです。

 大学に入ったら家を出るつもりですし、母にも離婚を勧めてみますが、今年は受験を控えているのでそうもいきません。このご時世で、家族が家にいる時間も増えています。

 あと1年、どう家で過ごせばよいでしょうか。少々感情的になりましたが、上野先生、回答をお願いいたします。

回答者 社会学者・上野千鶴子さん

 ご指名を受けました。わたしが医者の家族と知ってのうえですね、やだ。

 お気持ちはよ~くわかります。成績がいいだけで医学部に入り、周りからは「先生、先生」と呼ばれ、上司もおらず、お山の大将になって誰もそれを掣肘(せいちゅう)できず、社会性はなく、お友だちはおらず、家族からは疎まれ……当たってますか。たぶん本人は小心者で孤独なだけですけどね。

 女性学は母と娘の関係を主題…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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