全日本私立幼稚園連合会で4億円不正出金 前会長が辞任

 全国の私立幼稚園が加盟する「全日本私立幼稚園連合会」(東京都千代田区)は9日、災害対策の基金などが無断で取り崩され、2017~20年度に計約4億円の不正出金があったことを明らかにした。引責辞任した香川敬(けい)・前会長は内部調査に私的流用を否定する一方、通帳の偽造に関与したことを認めたといい、連合会は刑事告訴も視野に調査を続けている。

 ホームページによると、同連合会は幼児教育の振興を図る目的で1984年に設立された任意団体で、全国約8千の私立幼稚園で構成する。

 連合会の田中雅道(がどう)会長代行らは9日、都内で報道陣の取材に応じ、2017~19年度に国際交流や災害対策のために積み立てた基金などから計約3億2千万円が不正出金されたと発表した。昨年9月の監査会で通帳や残高証明が提出されなかったため監査を続けたところ、理事会の承認を経ずに引き出されたり、宿泊費やタクシー代として不正に支出されていたりしたことがわかった。これとは別に、20年度にも約8千万円の不正出金が確認されたという。

 香川前会長は昨年11月27日、会計の不備の責任を取って会長を辞任。弁護士や公認会計士らによる内部調査で、前会長が不正出金が発覚しないよう通帳の偽造に関与したことが判明した。前会長は私的流用を否定し、監督責任を取って1億5千万円を弁済したという。

 田中会長代行は「こうした不祥事が起きたことは痛恨の極み。本当に申し訳ない」と謝罪。連合会は前会長が「横領した」としており、刑事告訴や民事訴訟も視野に「断固とした対応」をとる方針という。

 香川前会長は山口県公安委員を2014年から3期6年あまり務めていたが、「一身上の都合」で8日付で辞職した。

 前会長が園長を務める山口県防府市の鞠生(まりふ)幼稚園は取材に「責任をもって答えられる者がおらず、コメントできない」とした。前会長が住職を務める防府市内の明覚寺の職員は「体調不良で寺を不在にしており、連絡がつかない。(全日本私立幼稚園連合会の)会見の内容を見ていないため、コメントできない」と話した。

 一方、萩生田光一文部科学相は9日の閣議後会見で「我が国の幼児教育を担う私立幼稚園の団体であることから、会則等にもとづいて適切に団体の運営を行っていただきたい」と述べた。(鎌田悠、山崎毅朗)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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