公共交通事故の被害者支援に国の「窓口」 伝え続ける当事者の思い

 JR宝塚線(福知山線)脱線事故は、公共交通で起きた大事故の被害者を支援する「窓口」を国に設けるきっかけになった。被害者らは今も、支援にいかしてほしいと自らの経験を伝え続けている。

 「しんどい時は電話をする元気も出ない。『どうですか』とそちらから来てほしい」

 昨年11月、脱線事故の負傷者やその家族らは兵庫県川西市で、国土交通省「公共交通事故被害者支援室」の職員に心境を語っていた。10年以上、年に1度開いてきた意見交換会。支援のあり方などを負傷者や家族が提案する場だ。

 公共交通の大事故を巡っては、42人が亡くなった1991年の信楽高原鉄道事故などをきっかけに、2001年に事故原因を調べる航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)が発足した。だが、情報提供などの被害者支援は、05年の脱線事故時も、国に担う組織がなく、事業者任せだった。

被害者らの声が結実

 脱線事故や85年の日航機墜…

この記事は有料記事です。残り620文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment