公立中高に「完全一貫化」の波 6年通じた教育が人気を集めるわけ

 首都圏の公立中高一貫校で、高校の募集を停止する「完全一貫化」の動きが進んでいる。教員からも保護者からも望む声が多いことが背景にあるという。根強い人気を集める公立一貫校。6年間を通じた教育の利点や魅力はどこにあるのか。(高浜行人)

 付属中学校のある千葉市立稲毛高校はこの4月から「稲毛国際中等教育学校」となる。現在の小学6年生が高校受験に臨む2025年度入試から高校の募集を停止。全員が6年間学ぶ完全一貫校になる。

 付属中ができたのは2007年度。中学の1学年80人に対し、高校からは3倍の240人を受け入れてきた。高校の募集を停止する一方、中学は160人に増やす。大幅に入試を変える理由について、伊沢浩二校長は「付属中からの一貫教育がうまくいっているため」と話す。

 中高の学習内容は重なる部分が多く、一貫教育なら高1の内容を中3で行うなど効率的な学習が進めやすい。節約した時間を、街の課題について市長にプレゼンするといった活動に充て、応用力や学習意欲を高めているという。

付属中学出身、高い進学実績

 過去5年間に卒業した付属中出身の388人は、地元の千葉大をはじめ、東大や一橋大など難関大に合格。伊沢校長は「ベースとなる人間性も、6年間でじっくり取り組むことで養いやすくなる」と話す。

 今春の入学者を選抜する付属中の検査には、募集定員160人に対し、前年比約250人増の858人が志願した。定員増で倍率は2ポイントあまり下がったものの、市教育委員会の担当者は「それだけのニーズがあるということ」とみる。

 東京都立の中高一貫校でも高校の募集停止が相次ぐ。21年度入試では武蔵と富士、今冬実施の22年度入試では両国と大泉、23年度入試では白鷗がそれぞれ完全一貫化し、同時に付属中の募集を増やす。もともと高校募集のない中等教育学校だった5校に加え、都立一貫校(連携型を除く)の全10校が完全一貫となる。

倍率5倍程度と人気が続く首都圏の公立中高一貫校で、高校の募集停止が相次いでいます。記事の後半では、各校が完全一貫化に踏み切る理由や、今後の公立中高一貫校人気の動向について触れています。

「6年間通ってこそ」 一貫教育の魅力とは

 理由について、都教委が設置…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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