公設民営の保育園が不法占拠状態に 借地契約結べず「申し訳ない」

鈴木芳美

 高知県南国市は17日、同市十市にある公設民営の保育園などの土地について、定期の借地契約が昨年末で終わり、新たな契約が結べていないことを明らかにした。早く新しい契約を結べるよう、高知簡易裁判所に民事調停を申し立てるという。

 市によると、契約が切れているのは、十市保育園と十市高齢者多世代交流プラザの一部にかかる土地。貸主の新宮神社と2003年から22年までを賃貸借期間とする事業用借地権設定契約を結び、21年10月以降、新たな契約に向けて契約内容の交渉を行ってきた。だが、同園は津波浸水想定区域にあり、市が移転を検討していることもあって、中途解約に関する内容で折り合いがつかず合意に至っていないという。

 市は不法に占拠している状態と認識しており、神社側からは1月以降、文書で退去と明け渡しを求める通知を2度受けている。

 市はこの日、記者会見を開き、平山耕三市長は「園児の保護者らに心配をかけて申し訳ない。調停の場で建設的な話し合いをしたい」と述べた。神社側は「1年以上対応してきたが合意に至らず残念。現在、何ら契約関係になく承諾も与えていない状態で保育園を運営している。速やかに解決して頂きたい」とコメントしている。(鈴木芳美)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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