兼業警察幹部、3人の懲戒処分発表 注意や訓戒も18人

 警察幹部らが警察官昇任試験対策問題集の原稿を執筆し、適正な手続きをとらずに出版社から多額の報酬を受け取っていた問題で、警察庁などは12日、大阪府警刑事部参事官の警視正(58)を減給10分の1(3カ月)とするなど男性幹部計3人を懲戒処分にしたと発表した。

 宮城県警から出向中の東北管区警察学校教務部長の警視正(56)と熊本県警の本部課長の警視(56)が戒告の懲戒処分。3人とも同日、辞職した。いずれも原稿料を繰り返し受け取り、公務員法が禁じる兼業にあたるのに許可を申請していなかった。

 懲戒処分のほかに、9道府県警(北海道、千葉、埼玉、神奈川、愛知、京都、兵庫、広島、福岡)の幹部ら18人が、内規に基づく注意や訓戒の処分を受けた。

 出版社は東京都港区の「EDU(エデュ)―COM(コム)」。同社は全国の警察が行う巡査部長、警部補、警部の昇任試験の対策問題集「KOSUZOシリーズ」を作成、出版してきた。

 警察庁などによると、大阪府警の警視正は2015年6月以降、同社から13回にわたり計約880万円の原稿料を受け取った。東北管区の警視正は18年3月以降、3回にわたり計約120万円を受領。熊本県警の警視は13年以降、計約200万円を受け取った。実際の受領額は府警の警視正が約2千万円、東北管区の警視正が約750万円に上るが、国家公務員である警視正に昇任して以降の分が処分対象となった。

 警視正2人は国家公務員倫理法で義務づけられた「贈与等報告書」の提出も怠っていた。(編集委員・吉田伸八)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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