刺され、心を病んだ青年 1年間寄り添った 秋葉原事件の被害者支援

 東京・秋葉原で日曜日の歩行者天国にトラックが突っ込み、17人が死傷した事件から15年が経った。昨年7月には加藤智大(ともひろ)・元死刑囚に刑が執行された。突然日常を奪われた遺族や被害者に寄り添い続けた警察官にとって、6月8日の記憶は原点となっている。

 事件発生から約3時間後。警視庁犯罪被害者支援室に警部補で配属されたばかりだった奥田暁宏さん(53)=現・警視=は、現場近くの万世橋署にいた。「大変なことが起きてしまった」

 同署には、被害者支援に特化した対策本部が同庁で初めて設置された。44人が集められ、奥田さんもその1人だった。

 遺族の待機場所を同署に設けた。葬儀の付き添い、報道対策、食料などの買い出しの手伝い。遺族に寄り添う「直接的支援」が初めて本格的に行われた。

 負傷者についても病院への送迎・付き添い、職場や学校への連絡、カウンセラーの紹介にあたった。こうした支援が終わったのは、事件から約1年半後だった。

重傷負った青年の両親からもらった言葉

 奥田さんの記憶に強く残るの…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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