前線、想定よりも停滞 気象庁「いつ終わるか明確に答えられない」

吉沢英将

 東北や北陸での大雨で新たに新潟県にも大雨特別警報を発表したことを受け、気象庁は4日未明、緊急の記者会見を開いた。黒良龍太予報課長は「局地的に事態はかなり悪化している」としたうえで、「暗いので避難も危険。家の中の少しでも安全な場所に移る対応がとても重要だ」と呼びかけた。

 前線などの影響で東北や北陸では3日から記録的な豪雨となっている。気象庁は3日夜に山形県の6市町に大雨特別警報(浸水害)を発表していた。

 その後、4日未明になって局所的な降水域が新潟県北部にかかって停滞。同庁は新たに新潟県村上市と関川村、山形県小国町に大雨特別警報(土砂災害、浸水害)を発表した。

 関川村では午前2時すぎまでの1時間に観測史上最多を更新する149・0ミリの猛烈な雨を観測した。8月1カ月の平年の降水量(207・3ミリ)の4分の3にあたる。

 黒良予報課長は会見で「非常に危険な雨量で、経験したことのないような大雨となっている」と述べた。

 記録的な大雨となっているのは、東北・北陸にかかる前線に暖かく湿った空気が流れこんでいるためだ。この前線は3日昼ごろから停滞。同庁は大雨の期間を4日明け方までと見込んでいたが、前線の南下が想定よりも遅く、4日朝までに延ばした。

 ただ、「いつ終わるか、明確に答えられない」と黒良課長。「今後、他の市町村にも特別警報を発表する可能性がある。特別警報の発表を待つことなく、今いる場所の危険度を確認し、早めの避難を検討してほしい」と呼びかけた。(吉沢英将)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment