副町長に続き建設課長も談合容疑で逮捕 和歌山・日高川

寺沢尚晃 伊藤秀樹

 和歌山県日高川町発注の町道の橋梁(きょうりょう)補修工事を巡り、最低制限価格の上下限の割合を漏らしたとして県警は1日、町建設課長(57)を官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕し、発表した。

 同町では前副町長が別の工事に絡む汚職事件で加重収賄罪などに問われ、現在公判中だ。一連の事件を受け同日、久留米啓史町長は会見を開き「住民の信頼を裏切り深くおわびします」と謝罪した。

 県警は同日、町建設業協同組合理事長で、建設会社の代表取締役(60)も公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕した。県警は2人の認否を明らかにしていない。

 捜査2課によると、建設課長は昨年9月20日に入札が行われた「町道猪谷線堂浦橋橋梁補修工事」の指名競争入札で、組合理事長に同14日、最低制限価格の上下限の割合を漏らした疑いがある。

 また組合理事長には、組合加入の別の建設会社に最低制限価格に近い金額で工事を落札させ、公正な入札を妨害した疑いがある。この業者は最低制限価格711万8005円に対し、713万2千円(いずれも税別)で落札した。

 久留米町長によると、建設課長は前副町長が逮捕された後の昨秋ごろ、「副町長の指示で業者に漏らしたり、他部署が発注する工事の設計額を調べて副町長に報告したりした」と町長に話していたという。

 建設課長は前副町長と同じ旧中津村職員出身。建設畑が長く、前副町長とは旧中津村時代から上司と部下の関係だった。

 久留米町長は再発防止策として、入札制度のあり方や組織のあり方について外部の専門家の意見を聴く委員会を近く設置するとした。(寺沢尚晃、伊藤秀樹)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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