加山雄三「ラストショー」で伝えたメッセージ「嫌なこと続くけど…」

 「♪海に~」。滋味に富んだ深みのある歌声と同時に幕が上がり、高い椅子に軽くこしかけた加山雄三さん(85)が現れた。

 代表曲「海 その愛」だ。会場に、高音域まで伸びのある太い声が響き渡った。

 年内でのコンサート活動の引退を表明している加山さんは9日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで、最後のホールコンサートを開いた。全27曲。余計な感傷を排し、最後まで実験的な姿勢をみせた公演だった。

 冒頭9曲は海にまつわる楽曲を並べた。MCで「人の幸せは自由にある。海には自由がある。だから僕は好きなんだ」と語る。「ある日渚(なぎさ)に」「夜空を仰いで」といった人気曲を並べ、「海シリーズ」の最後は自身が所有した船を歌った「光進丸」。起伏に富んだメロディーを見事に歌いこなす。

 休憩を挟み、第2部が開演。ただ、ステージ上に加山さんがいない。すると、等身大に近いパネルが登場し、加山さんそっくりのCGが動きながら歌う。

「音楽を愛してよかった」 「こんな世の中になると想像できなかった」

 AIの技術によって加山さん…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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