助かった命、被災後は防災士に 紙芝居で伝え続ける紀伊半島大水害

 大水害が起きたらどう対処すればいいのか。

 淡々とした語り口だが、自作の紙芝居で当時の様子を鮮明に伝えていく。2011年に起きた紀伊半島大水害で被災した女性の話に、砂防を学んでいる大学生ら6人が真剣な表情で聴き入った。

 JR那智駅(和歌山県那智勝浦町)から約3キロの距離にある井関地区。夫と長女と家族3人で住んでいた久保榮子さん(80)の平屋の自宅を激流が襲ったのは12年前の9月4日未明だった。

 玄関の戸は開かず、3人で窓から外へ出て雨どいにぶら下がった。このままでは助からないと、3メートル先にある駐在所のフェンスへ乗り移ろうとしたが流された。もがき続け、100メートル以上離れた歩道沿いのフェンスに引っかかり一命を取り留めた。

 朝になり水が引き始め、自宅…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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