動物園に幻の鳥「白鷺とめ太郎」 パネルはあるけど…人見知り?

宮沢崇志

 【兵庫】世界文化遺産姫路城のおひざ元にある姫路市立動物園に、ある鳥のパネルが設置された。写真ではなくイラスト付き。なぜならこの鳥、幻の存在だからだ。

 園の一角にある鳥の飼育ケージ。コサギ、アオサギ、ウミネコなどの写真パネルと一緒に「ペリカン目サギ科 白鷺(しらさぎ)とめ太郎」と書かれたパネルが掲示されている。他のパネルと大きさをそろえ、いかにも飼育動物の案内に見えるけれど、このケージに白鷺とめ太郎はいない。

 白鷺とめ太郎は、「詐欺を止めてやろう」という意味を込めて姫路署がつくった「特殊詐欺被害防止啓発キャラクター」だ。その名の通りシラサギをイメージした姿。署の依頼で、あたかも実在の生きもののようなパネルを設置することになった。

 同署の井上敬雄地域官は「市民にとって特別な場所である市立動物園で、世代を超えて特殊詐欺について考えてもらう機会にしてほしい」と話す。

 「ペリカン目サギ科」はサギの仲間の分類だ。性格の欄は「白鷺だけに、超人見知り」と記されている。キャラクターを誕生させた時に図鑑を調べた。井上地域官は「サギは人になれにくいそうなので、そこは忠実にしました」。

 本物の動物の紹介パネルとそっくりでなじんでしまっているのか、6月中旬に掲示した後も園への問い合わせはないという。動物園側は「歩いて見つける楽しみもあると思います」と話している。(宮沢崇志)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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