北方領土と根室結ぶ海底ケーブル 戦前の遺構が文化財に

 戦前、北方領土国後島と北海道根室市をつなぐ通信用の海底ケーブルを根室市側で陸に上げていた施設「陸揚庫(りくあげこ)」が、国の登録有形文化財(建造物)になる。16日、国の文化審議会が登録を答申した。北方領土に日本人が住んだことを身近で示す貴重な歴史遺産だ。登録を機に、道東にある多彩な建築群が脚光を浴びそうだ。

 陸揚庫は根室湾に面した根室市西浜町の海岸べりにあり、鉄筋コンクリート造の平屋建てで、幅3・8メートル、奥行き5・9メートル、高さ3・7メートル。

 海底ケーブルは国後島と根室の間の38キロを結び、1900(明治33)年に敷設された。陸揚庫の工法は、隣の別海町の旧柏野小跡地にある昭和12(1937)年建造の天皇の写真を収めた奉安殿によく似ている。こうした点から同時期の建造との見方が有力だ。それでも築50年以上という国の登録要件に対しては、十分に古い。

 ケーブルは国後島を経由して…

この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。

残り:1440文字/全文:1839文字

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment