北陸の被災地に届けたい「炭鉱人の心」 ハワイアンズのフラガール

西堀岳路

 能登半島地震の被災地に東日本大震災の被災地から届けたい、炭鉱時代の助け合いの精神。福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズは8日から、フラガールの踊りを収録したメッセージ動画を北陸地方に向けて公式ユーチューブチャンネルに公開している。

 東日本大震災当時、フラガールたちは各地へ避難した人たちを励まそうと、約5カ月かけて全国を巡ったことがある。13年前のメンバーは代替わりしてもういないが、担当者は「能登の被災地や避難所のニュース映像が、あの頃を思い出させた。今できることはないかと話し合った」という。

 動画は、このために収録した「花は咲く」、全国キャラバンの時の代表曲「クウレイマイレ」、日々のショーの最後に踊る「フラガール~虹を~」の3曲。冒頭、キャプテンのマーラエ穂里(みのり)さんが、被災者や復興関係者に向け、「(東日本大震災では)たくさんの支援とやさしさに助けられました。誰もが1人ではありません。遠く離れていても私たちはつながっています」と呼びかける。

 フラガールたちは2011年5月、東京電力福島第一原発事故があった福島の風評も好転させたいと、創業前年以来46年ぶりとなる全国キャラバンをスタート。東北~九州の26都府県と韓国・ソウルの125カ所で計247回公演した。

 当時のリーダーは「受け継いできた『一山一家(いちざんいっか)』の精神が原動力だった」と取材に答えている。炭鉱閉山の起死回生策で生まれたハワイアンズで、半世紀以上たってもフラガールたちは炭鉱時代の「団結」や「助け合い」を意味するこの言葉を大切にする。

 この全国キャラバンを小学4年の時に故郷で見て、フラガールを志した山口県出身の大木美海(みみ)さん(56期生)は取材に、「踊りで人の心を動かすことが出来ると知った。自らも被災者で大変ななか、全国に笑顔を届けた先輩たちと同じ活動に参加できて光栄です」と回答した。

 「メンバーは替わっていきましたが、踊りや伝統は変わっていません。見て下さる方を一人でも元気にしたい、笑顔にしたいという思いは、大切に受け継がれています」(西堀岳路)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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