医療事故調査制度 隠さない姿勢がコロナ禍に発揮する力

 医療の質の向上や事故の再発防止をめざし、医療事故調査制度ができて5年がたつ。どんな変化があり、残された課題は? 新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない今、思うこととは。医療安全に詳しい、名古屋大の長尾能雅教授に話を聞いた。

 ――制度ができ、医療安全は広まりましたか。

 この5年間、真摯(しんし)に死亡事故を報告し、院内調査をしているところがあれば、いっさい報告していないところもあります。二極化が進んでいると感じます。何をもって報告すべき事故とみなすのか。解釈にもばらつきがある。同じ事例をある病院は事故とし、ある病院は事故としない。遺族側はまず、何がおきたかを知りたいのだと思います。「ミスだったのか、やむをえない出来事だったのか」。そのための調査と考えているでしょう。一方、医療側は、紛争を減らすための調査であってほしいと考える人が多い。同床異夢の要素をはらんだ制度であることも、二極化の原因でしょう。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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