半年タダ働きでも「社長はいい人」 つけこまれた元留学生の4年間

 4年前、夢を抱えて日本にやってきたインドネシアの若者を待ち受けていたのは、弱い立場につけ込まれる苦しい日々だった。この4年間に何があったのか。失意のまま帰国する直前、朝日新聞の取材に語った。(竹中美貴)

夢見た日本 連日10時間バイトも支払いに消えた

 ジュナエディさんが来日したのは2018年3月。留学ビザを取得し、沖縄県内の日本語学校に入学した。「日本語を学んで、日本で働きたい」。友人のSNSで日本の桜や雪の風景写真をみて、いつか日本で生活したいと夢見ていた。

 しかし、心躍らせた新生活は想像とは違った。沖縄で与えられた家賃月3万円のアパートは2人1部屋。店舗を改造したようで、住み心地は悪かった。

 インドネシアを出国する前、来日費用として、留学をあっせんした地元業者に、約1億6千万ルピア(約140万円)の借金をしていた。その借金の返済だけでなく、光熱費や食費、来年分の授業料などで、毎月約10万円の支出が重くのしかかった。

 半日の日本語学校の授業の合間をぬって、1日約10時間、週5日のアルバイトを入れた。居酒屋やコンビニ……。それでも、月約16万円の収入のほとんどが支払いに消えた。

 故郷の妹や弟への送金もできない。自らの食事もままならない。どうすればいいのか分からなくなった。「とても怖かった」

 そのような生活を1年ほど耐えたころ。日本語学校から姿をくらました。

 名古屋に1年ほど滞在し、友…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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