原発処理水放出、地元に広がる「風評」への不安、水産業者には実害も

 東京電力が24日、福島第一原発の処理水を海に流し始めた。12年前の原発事故後の風評を克服しようとするさなかに、長期にわたる放出となる。地元業者は「同じようなことが起きては」と不安を抱き、中国による日本産の水産物の輸入停止も重なって新たな懸念が広がる。

 「いよいよ始まったか。間違いが起きないのを見守り続けるしかない」。福島第一原発から約70キロの福島県天栄村で日本酒を造る松崎祐行(ひろゆき)さん(38)は、放出開始をスマホで確認して不安を口にした。

 放出は同業者でも関心が高い。処理水の知識を身につけようと、7月半ば、杜氏(とうじ)たちの研修会に東電幹部を招き、東北の若手の蔵元たち約40人で原発構内も視察した。

 東日本大震災では県内の55蔵が被災し、廃業や移転を余儀なくされた酒蔵もあった。

 風評被害を防ごうと、酒米や仕込み水の安全性を確認する仕組みが整ったものの、県全体の出荷量は事故後3年で3割減った。「自分で飲む分にはいいが贈答用にはできない」と言う客もいた。

「たまったものではない」

 立ち直るなかでコロナ禍に襲…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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