友の言葉で鉄の殻出られた 音楽に生きがい見つけた今

 地元・横須賀(神奈川県)の仲間内では、本名よりも「kenG(ケンジー)」というニックネームで通っています。松浦謙一さん(64)。レビー小体型認知症と2年前に診断されました。認知症のことは、ギターを手にして、「笑い」とともに語る。それがkenGの流儀です。

認知症とともに 本人の思い:13
認知症の人が自らの言葉で胸のうちを語る「本人の思い」。特集「認知症とともに」の連載で、随時配信します。

 〈うつ病、そして双極性障害と診断されたのは18年前。その後パーキンソン病の診断も重なった。その頃から認知症が疑われる症状も出始めた。手指のふるえなどで仕事に支障がでて、51歳で退職、自宅にひきこもる日々が長く続いた〉

 気力が低下して、すべてが面倒くさくなりました。空腹感もなく、コーヒーと焼酎しか口にしない日も。頭を使いたくなくて、ストーリーが単純な時代劇ばかり見ていました。一番ひどいときは、ほんの数十メートルしか歩けなくなりました。

 〈「鉄の殻に閉じこもったような生活」(妻えり子さん)を脱したきっかけは、沖縄旅行のお土産に買った三線(さんしん)だった。5年前のことだ〉

 部屋に置きっぱなしにしていた…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
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